浦和の歴史ある老舗店年表

浦和を語る

江戸時代には浦和宿が開かれ、街として大きく発展を遂げてきた浦和。歴史ある街だからこそ、長年続く老舗のお店が今でも数多く存在しています。

そんな老舗店を自身の知識を深めるためにも色々と調べまして、創業年ごとに一覧にしてみました。こんなお店があるんだ、あのお店こんなに古くからあるんだなど、浦和のお店について色々と知っていただく機会になれたらなと。

把握できていないお店もたくさんあるはずなので、その場合は是非ご教授いただけると大変幸いです。

  • 1775年(安永4年)創業:内木酒造
    浦和にある唯一の酒蔵で、旭正宗などのお酒を醸造しています(さいたま市桜区西堀6-13-15)。
  • 1848年(弘化5年・嘉永元年)以前創業:山崎屋
    浦和で一番古い鰻屋さんで、正式な創業年は不明ですが、1844~48年(弘化)の『浦和宿絵図』に「山崎屋平五郎蒲焼商」との記載あり。また、寛永年間(1624~1644年)にはすでに何かしらの商いをしていたことが分かっています。(さいたま市浦和区仲町1-10-8)。5年後(1853年)ペリーが日本に来ます。
  • 1867年(慶応3年)創業:文壽堂 原田表具店
    旧中山道沿いにある表具店で、調神社の襖の張り替えも行なっているそうです(さいたま市浦和区岸町7-1-11)。孝明天皇が崩御されたり、大政奉還があり、坂本龍馬が暗殺されたりと激動の幕末で翌年から明治に。
  • 1868年以降(明治初期)創業:青山茶舗
    明治初期に創業したお茶屋さんで、国登録有形文化財(建造物)に登録されている建物は江戸後期から明治初期に建てられたもの。また、奥にある蔵は1902年(明治35年)に建てられたもの(さいたま市浦和区岸町4-25-12)。
  • 1870年代(明治初年代)創業:酒井甚四郎商店
    奈良漬けなどを販売するお店で、正式な創業年を記録しているものがないそうですが、初代の経歴や死亡年齢から推察すると明治初めにはお店があったものと考えられているそうです(さいたま市浦和区仲町2-4-23)。
  • 1875年(明治8年)創業:ときわだんご
    コルソ1階に入る甘味処で、店内には昔の様子を知ることができる写真も飾られています。(さいたま市浦和区高砂1-12-1)。2年後に西郷隆盛が挙兵します。
  • 1876年(明治9年)創業:須原屋
    旧中山道沿いに本店を構えるほか、埼玉県内に数店舗を展開する本屋さんです(さいたま市浦和区仲町2-3-20)。廃刀令が発布された年です、それまでは刀を腰にぶら下げてもOKでした。
  • 1886年(明治19年)創業:うらわのうなぎ萬店
    別所沼公園近くにある鰻屋さんで、最近では鰻の食べ放題イベントも年に1回実施するなど、浦和のうなぎの普及活動にも貢献されています(さいたま市南区鹿手袋1-2-26)。前年に伊藤博文が初代内閣総理大臣に就任します。
  • 1888年(明治21年)創業:満寿家
    鰻屋さんですが、鰻だけでなく和食のコースも楽しめるお店です(さいたま市浦和区岸町7-1-3)。
  • 1898年(明治31年)創業:武笠表具店
    埼玉県庁前にある表具店で、現在4代目の方がお店をやられています(さいたま市浦和区高砂3‐7‐6)。100年後に日本がサッカーW杯に初出場します。
  • 1902年(明治35年)創業:鵞毛堂
    日暮里で創業し、1927年(昭和2年)に浦和へ移転をしたそうです。西口の再開発エリアにお店を構えていましたが立ち退きに伴い現在の場所へ(浦和区高砂2-12-20-3)。
  • 1905年(明治38年)創業:足立屋菓子舗
    さいたま市役所の斜め向かいにある和菓子屋さんです。明治39年という表記がされているサイトもありましたが、お店の方からのコメントで明治38年と表記しているサイトがありましたので、そちらを採用しています。歴史があることに変わりないですね(さいたま市浦和区仲町3-13-12)。
  • 1912年(明治45年・大正元年)創業:菓匠花見
    白鷺宝で有名な和菓子屋さんで、本店は浦和駅西口再開発エリアにありましたが立ち退きに伴い桜区へ移転をしています。また、伊勢丹浦和店の地下でも販売しています(さいたま市桜区町谷1-20-17)。翌年に徳川慶喜が亡くなります。
  • 1926年(大正15年・昭和元年)創業:ぎんねこ
    埼玉県庁へと続く裏門通りにあるお蕎麦屋さんで、元々シルバーキャットという店名だったのが、戦時中は英語が使えないため、ぎんねこという名前に変えた逸話があります(さいたま市浦和区仲町2-13-17)。
  • 1935年(昭和10年)創業:常盤食堂
    浦和駅と北浦和駅の間にあるお蕎麦やうどんをメインとした定食屋さんです(さいたま市浦和区常盤2-10-21)。
  • 1937年(昭和12年)創業:中村家
    こちらも鰻屋さんで、2代目が浦和の鰻をさらに広め伝統の味を後世に引き継ぐことなどを目的として「浦和のうなぎを育てる会」を立ち上げました。
  • 1940年(昭和15年)創業:菓子処 加藤製菓
    浦和駅東口の前地通り商店街近くにある和菓子屋さんです。公式サイトなどに創業年の記載がなかったのですが、数年前のインタビュー記事に今年で創業何年と記載があったので、逆算しています(さいたま市浦和区東高砂町6-20)。
  • 1947年(昭和22年)創業:甲州屋
    県庁通りにお店を構える町中華のお店で、創業以来継ぎ足しているという醤油だれを使用したラーメンが人気のお店です(さいたま市浦和区高砂3-2-11)。2年前に太平洋戦争が終戦を迎えてます。
  • 1953年(昭和28年)創業:鈴木剣道具店
    別所沼公園近くにあるお店で、現在は3代目。全て手作りで剣道具を作られているそうです(さいたま市浦和区高砂4-20-2)。

ひとまず以上です。やっぱり鰻屋さんが多いですね。老舗の定義が難しいのと挙げだしたらキリがないので、戦後くらいまでのお店にしておきます。

冒頭でも書いたとおり、まだまだ載せられていないお店があると思うので、是非とも教えてください。

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