2019シーズンの浦和レッズは激動のシーズンでした。3年連続シーズン途中での監督交代、ACL準優勝、最終節までもつれた残留争い…。
そんなシーズンを振り返る一冊『浦和2020〜成長する新世代 再び世界に挑戦する鍵〜』が、レッズプレスとエルゴラッソの記者の方々によってまとめられ、先日発売。
ということで、筆者も早速購入し読んでみました(@須原屋)。
突き付けられた現実。圧倒的な力の差
ACL決勝の相手アル・ヒラルは本当良いチームでした。個々の能力も高く、組織力も相当高かったように思えます。
カリージョの突破を、体ごと止めようとした関根貴大がふっ飛ばされる。後ろから猛烈なバフェティンビ・ゴミスのチェックを受けた青木拓矢が、当たり負けしてボールをかっさわれた。170センチそこそこの身長ながら、183センチでヘディング自慢の橋岡大樹との空中戦に競り勝つヤシル・アルシャハラニ・・・。
(第1章 ACL決勝で見えた差、つかんだ経験より)
本書では想定とは違った試合展開、試合後の選手のコメントなどが記されています。
槙野智章「こてんぱんにやられた」
青木拓矢「10回やっても、10回とも負けると思う」
この景色をまた見たい。
期待に反して低迷する成績。作れなかった攻撃の形
2019シーズンはACLとリーグの2冠を目指しオリヴェイラ監督のもと、日本代表経験者も獲得しめちゃくちゃ期待したシーズンでした。
2018年12月、天皇杯優勝。シーズン途中に就任したオズワルド・オリヴェイラ監督のもと、翌年のアジアの大会につながる唯一のチャンスだったトーナメントを、浦和は勝ち抜いた。チーム最大の強みともいえる『ファン・サポーターとの共闘姿勢』を打ち出し、選手の機運、そしてスタジアムのうねりまで醸成した指揮官の働きは、「さすがモチベーター」とうならせるもの。長年に渡る日本での指導期間で、タイトルを獲らなかった年がない、という確固たるこれまでの実績は伊達ではなかった。
(第2章 激動の2019年より)
シーズン前に行なった練習試合は九州リーグの沖縄SVとの1戦のみ、リーグの前哨戦ゼロックススーパーカップでは川崎フロンターレにシュート1本に抑えられ完敗。リーグでは4節まで得点はセットプレーからのみ。
などなど。不安の残るスタートを切り、その後リーグ戦4連敗をしオリヴェイラ監督は解任。再任した大槻監督になっても好転せず、残留争いに巻き込まれ・・・。
そんな激動のシーズンを振り返りつつ、山田直輝の湘南ベルマーレへの移籍の真相、シーズン中の浦和レッズのチーム事情を知ることができる内容になっています。
山中亮輔や菊池大介が感じた違和感、李忠成の不安、声を上げた岩波拓也の話など、どれも興味深い。
さらに第3章のサイドストーリーでは、森脇良太のちょっとうるっとくるエピソードも(移籍したの寂しい)。
自分も、まだまだできると証明したい。ずっと浦和に携えればいいなと感じている。
(第7章 変容する強化体制 柏木陽介のコメントより)
最後には選手の来季に向けたメッセージなども収められた、読みどころ満載の一冊で、あっと言う間に読み切ってしまいました。
これからも浦和レッズを応援していきます!!